不正咬合について
不正咬合(ふせいこうごう)
不正咬合とは、歯と歯の上下の噛み合わせが正常ではない状態を指します。通常、上顎(上の歯列)と下顎(下の歯列)は適切に噛み合い、歯と歯が正確に対応し合います。しかし、不正咬合の場合、この噛み合わせがずれたり、歯が不規則に配置されたりしています。不正咬合は、美容上の懸念だけでなく、噛む力の分散に問題を引き起こし、歯や顎の不快感、頭痛、顔の筋肉の緊張、さらには消化や発音の問題につながることがあります。不正咬合の治療は、歯列矯正や補綴治療など、患者の具体的な症状に応じて行われ、正確な噛み合わせを回復させることが目標とされます。
不正咬合の種類
不正咬合(ふせいこうごう)には様々なものがあり、それぞれ症状やその度合いに応じて、適切な治療を行っていく必要があります。
叢生 | 八重歯 | 開咬 |
出っ歯 | 受け口 | 過蓋咬合 |
すきっ歯 | 交叉咬合 | 切端咬合 |
不正咬合のデメリット
不正咬合にはいくつかのデメリットがあります。まず第一に、不正咬合は噛み合わせに問題を引き起こし、その結果、歯や顎、顔面の健康に悪影響を及ぼすことがあります。以下に詳しく説明します。
- 歯の損傷
不正な噛み合わせは、歯の不均等な負担を引き起こし、歯の割れや欠損を招く可能性があります。 - 顎関節症状
不正咬合は、顎関節の痛みや不快感を引き起こすことがあります。これにより、口を開閉する際に痛みを感じたり、顎の関節音が生じたりすることがあります。 - 噛む力の低下
不正咬合により、噛む力が均等に分散されず、食事や咀嚼が困難になることがあります。これは栄養不良や消化にも影響を与える可能性があります。 - 顔の外観への影響
不正咬合は、顔の形状にも影響を及ぼすことがあり、特に子供の成長段階では顔の発育に問題を引き起こすことがあります。 - 言語障害
不正咬合があると、正しい発音が難しくなることがあり、言語障害の原因となることがあります。 - 自信の低下
歯並びの不正咬合が外見に影響を与え、自己イメージや自信に悪影響を及ぼすことがあります。
矯正治療について
矯正治療は歯並びのお悩みを解決し、美しい歯列と正しいかみ合わせを得るための治療ですが、
- 「ギラギラ目立つ矯正装置はつけるのには抵抗がある」
- 「固定式の装置は食事やハミガキなどがしずらそうなので嫌だ」
- 「他人に気づかれるのは職業的にも困る」
などの理由によって、治療を諦めている方も少なくありません。ブラケットとワイヤーを歯に装着して、歯に弱い力をかけ続けることで、少しづつ歯を動かしていく治療方法が、昔ながらの一般的な方法ではあります。しかし、固定式を避けたい場合や、目立つと困るといったケースでは、マウスピース矯正がおすすめです。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正
ワイヤー矯正
これまでの矯正治療ではブラケットとワイヤーを使用して、歯に力をかけて歯並びを整える方法でした。このワイヤー矯正は歴史もあり、信頼ある治療方ではありますが、矯正装置が目立つことで、矯正治療を始めることが出来ないといった方も少なくありませんでした。また、ワイヤー矯正では、固定式で自分で外せない点も抵抗があるといった方もいらっしゃいます。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正よりも後で登場した治療法です。透明のマウスピース型の矯正装置「アライナー」を使用して歯を動かします。アライナーを歯列にはめこむと、歯を動かしたい方向に、弱い力が歯にかかるようになっており、このアライナーを、現在の歯並びから、歯並びのゴールに向けて、少しづつ形の違うものに付け替えながら歯を動かします。ワイヤー矯正のように固定式ではなく、ご自身で着脱可能なため、お食事の時やハミガキの時には外すことが出来ます。
マウスピース矯正のメリット
マウスピース矯正には以下のようなメリットがあります。これらのメリットにより、マウスピース矯正は多くの患者様に選ばれています。
- 見た目が自然
マウスピースは透明で目立たず、装着していても他人に気づかれにくいため、矯正治療中でも自信を持って笑顔を保つことができます。 - 取り外し可能
食事や歯磨きの際にマウスピースを取り外すことができるため、普段の生活が便利でストレスなく続けられます。 - 快適な装着感
カスタムメイドされたマウスピースは、歯に合った形状で作られるため、装着時の違和感が少なく、快適な状態で矯正が進められます。 - 短期間での治療
個々のケースによりますが、一般的には短期間で歯列の調整が可能です。定期的に新しいマウスピースに切り替えていくことで効果を実感しやすいです。 - 歯の健康を守る
マウスピースは歯を守るため、歯と粘膜の摩擦を減少させ、傷つきにくいです。
マウスピース矯正の注意点
マウスピース矯正には以下のような注意点があります。これらの注意点を守ることで、効果的なマウスピース矯正が行えます。
- 着用時間の確保
マウスピースを効果的に使うためには、指示された通りの着用時間を守ることが重要です。 - 取り外し時の管理
食事や歯磨きの際に取り外す際に、マウスピースを清潔な状態で保管し、紛失や破損に気をつけてください。 - 装着感の違い
最初の数日から数週間は、マウスピースの違和感を感じることがあるかもしれません。慣れるまでの間、口腔内に違和感を感じることがありますが、徐々に軽減されます。 - 定期的な歯科診察
マウスピース矯正中でも定期的な歯科診察を受けることが大切です。歯の健康状態や矯正の進行具合を確認し、必要に応じてアドバイスを受けることができます。 - 装着の継続性
治療の成果を維持するためには、矯正装置の指示通りの継続的な着用が必要です。途中での中断や不着用は、治療の効果に影響を及ぼす可能性があります。